2013年8月25日日曜日

第2回omni-cafe活動報告 テーマ「自分らしい時間の使い方って?」

8月17日(土)に、第2回omni-cafeを行いました!

今回も、スタッフは多忙につき2名のみの参加。対面での事前打ち合わせは1回、そして当日に進行の打ち合わせというバタバタ状態で当日を迎えました。
なんとかなるものです!



今回のテーマは「自分らしい時間の使い方って?」


告知はこちら→平塚市民プレス記事 http://hcp.main.jp/event/5318/


自分が好きなことに時間を費やせているか?自分がするべきことにしっかり時間を費やせているか?仕事と家庭の両立、仕事と好きなことの両立、あるいは3つ、子育て…など、思い浮かぶことはたくさんあると思います。

意外にも好評のテーマで、参加したいけど日程が…といわれる方が多かったので、時期を見てまた同じテーマで開催したいと思っています。



今回集まってくださったのは8名。スタッフ含め10名で対話をしました。

ちょっとだけ私からミニレクチャーをしました。
作業療法士の視点から、「作業とは」と「作業バランス」について簡単にお話しました。



そして、いつものように、まずはアイスブレイク!
好きな言葉または座右の銘を書いてもらい、それを誰が書いたか当てるゲーム。
第一印象だけで、誰がどんな思いをもっているかって当てるの難しいですね!(>△<)
第一印象だけで人は判断できないってことですね〜。
ちなみに、私は1人しか当たらなかった…(^^;;



そして自己紹介。
精神障がい者の就労支援をしている人、
ボランティアで病気の子どもの遊びの支援している人、
経験豊かな70代の障がい者団体の会長、
新婚の理学療法士さん、
地元の作業療法士さん、
地元の鍼灸師さん、
湘南を駆け回る福祉用具の業者さん、
作業療法士の学生さん、

年齢層は、20代前半、30代〜40代、70代と、予想していたよりも多様な世代が集まりました!それでも、やっぱり30代〜40代が一番多かったです。

皆さん、主催の私やスタッフ高梨さん(同じく作業療法士)たちのつながりで集まってくださったひとたちなので、ちょっと属性が似ているところがありますね。でも、そこにたどり着いた背景は違っていて、皆さん同じように障がいや病気を抱えた人たちが自分らしく生きられることを目的にしているけど、その方法も今いるステージも皆違う。

いろんな視点からの思いを聞けるのは、こういう対話の場のおもしろいところですね!




集まってくださった人たちの動機は・・・

仕事を一生懸命やりたいけど、家庭がおろそかになってしまって、どう生きるか悩んでいる人、
とりあえず集まった人たちがこのテーマでどんなことを考えているのか知りたいと思って来た人、
ライフステージに変化があり、自分の立ち位置に悩んでいる人、
自分がしたいことを仕事にしよう!と立ち上げたけど自分らしさって?と思っている人、
子どもの自分らしさを追求したい人、
などなど・・・。


今回、集まった皆で話し合ってできたお題は2つ。
「好きなこと、したいこと、していることが一致していますか?」
「バランス、優先順位をどうつけるのか?」



お題①「好きなこと、したいこと、していることが一致していますか?」

大きなカイシャで仕事をしていると、しなければならないことに追われ、自分のしたいことや好きなことを見失いやすい。
したいことができると思って入った職場だけど、他にもしなくてはいけないことがあって、本来一番力を注ぎたいところに十分注ぎきれていない。
などと、自分がいまいち「好きなこととしたいこと」と「していること」が一致できていないという意見がありました。

一方で、「自分がしたいこととしていることを一致させたくて事業を立ち上げた!」という人も!
でも聞いてみると、好きなことと一致しているかというと、どうもそうではない。
したいっていうことと好きなことは、必ずしもイコールではないと言います。

そもそも、好きなこと、したいこと、していることって、何なの??
それらがみんな一致しないといけないの?っていう話も。

そもそも、こういうバランスってことを考えるときっていうのは、一生懸命何かに取り組めていないとき。充実しているときって、そんなこと考えないのでは?という意見も。


経験豊かな会長さんは、人生は想定外!の経験談をしてくださいました。
それまで長くひとつの仕事をして来た、安定しつつもその難しさも面白さもあった。そして、仕事だけでなく登山等の趣味も楽しんで来た。
しかし、ある日突然自分の息子が交通事故に遭ってしまった。
その後、人生が激変!
息子の看病をしつつも、一時はそこから逃げるように好きなことだけしていたことも。。
だけど、本来しなくてはならないこと(mission)に目をつぶって好きなことをやっても全然楽しめないことに気がついた。
それからは、mission!action!passion!を座右の銘として活動して来たという。
それに最近、vision!も加わったと言います。

それまで、自分のしたいこと、好きなことなど全くできなくなった。
したいことはたくさんあったのに・・・。
だけど、後悔ないように死ぬために今を生きる!という力強いお言葉を頂きました。


私も含め、参加者みんなが感銘を受ける!!


つまり自分の「軸」がぶれているとバランスが崩れる。
「軸」からずれたことをすると、好きなことをしていても楽しめないのでは?
自分の「軸」「mission」を探さないといけないですね!と。

で、ここでお時間!
ちょうど良い締めくくり!


お題②「バランス、優先順位をどうつけるか?」

お題②に移りましたが、先ほどのお題①の話題の余韻が残り、そもそも「軸」って何なの?「軸」がないと、バランスも優先順位もつけられないね。という話に。


仕事を大事にしたいけど、家庭も大事にしたい。軸がどこにあるかわからないというお話に。

ライフステージによって軸は変わってもいいものでは?
今は、もしかしたら今は家庭を軸に置く時期で、すこし時期を見てまた仕事に軸を戻してもいいのでは?
そのために、職場での働き方を変えてみる。今までは仕事を何でも一生懸命にやる人と見られていたかも知れないけど、これからは定時に帰る人と皆に印象づける。その時間内でできる仕事、役割を一生懸命、確実に行う。周囲の人も、その役割に応じた仕事を回してくれるようになるのかも知れない。

そもそも軸ってひとつだけじゃないといけないの?
家庭の軸、仕事の軸、それぞれに軸があっていいと思うし、他にもあってもいいんじゃない?という意見も。

仕事と家庭のバランスということなら、家族と話をしている?という話も。
家族は、私のしたいことを理解してくれているのだろうか?パートナーのしたいことは何なんだろうか?そういうことをお互いシェアするのも大事なのでは?と。

家庭のため?その前に自分はどうありたいのか?
◯◯のための軸、個の軸・・・周りから求められていること、自分が大事だと思っていること、それぞれの軸もあるかも知れない。

missionが見つかると、もしかしたらバランスなんて考えずに、そのmissionに邁進できるかも知れない。missionはどうやって探したらいいのか?

などなど、話はつきませんが、お時間...


次に、これまでの話を個人ワークでふりかえりと、まだ解決してない!ということを整理。そして最後のお題づくり。
ふりかえりに真剣にとりくむ参加者の皆さん(^^)
話し合いたいお題もこんなにたくさん!
        



お題③「「軸」と「mission」」



軸とmissioって同じもの?違うもの?
どうも違うらしいよね、という話からこのお題になりました。


軸とは、自分の生き方そのものでは?
軸は、他から求められるというよりも、個の中にあるものでは?

missionは、個の中にあるものというよりも、社会から求められるものでは?

大病を患うとか、障がい者になったりとか、自分の生活が激変するような、生活の全てのことを失うくらいのことが起きたときに、初めて自分の「軸」に気づくものかもしれない。

病院で仕事をしている人は…仕事をしている上で、病院で様々な人に出会うが、そこで学ぶことも多い。障がいのある人が生き方を改めて考えなおしている姿や、退院後に新たな人生を歩んでいる姿を見る、末期にある人の話を聞く。
そういう経験から、自分の人生の生き方、軸をもたなくては!と考えさせられる、ある意味非常に良い環境に恵まれている。


知識で頭デッカチにするのではなく、自分の心に耳を傾けるのも大事かも。
周囲の評判ではなく、自分の感性に任せて「いいな」と思ったことをやっている人のところにいく、そしてとりあえず自分でもやってみる。

そうすると、少しずつ自分の立ち位置、スタンスが見えて来るかも知れない。


自分の軸とmissonが合わないものだと、ストレスになるかも知れない。
missionの目的は?方向性は?それは自分が楽しめるもの?
楽しめないと長続きしない。自分が疲れちゃう。

missonが見えないまま、自分の好きなことだけしていても何かもの足らなさを感じるかも知れない。


自分の軸とmissionが合わさったとき、人は一番幸せになれるのかも知れない!


最後に会長さんより。
だけど、人生は想定外のことが起こることも!
一生懸命取り組むのも大事だけど、時にはケセラセラ!



「自分らしい時間の使い方って?」というテーマから、ここまで深い話になるとは思ってもいませんでした。
作業のバランスを考えるとき、自分はどうも今の状態に満足していないというサインかもしれません。そのときは、いったん立ち止まって、自分の軸を見つめ直す作業が必要なのかもしれませんね。
そして、自分の軸が見つかったとき「自分らしい時間の使い方」ができるのかもしれません。

それは、つまり自分が大切にしている価値ある作業が何かがわかり、その作業への従事が満足にできるようになることかもしれませんね。


ファシリテーター初体験の高梨さん!


高梨さんのまとめを真剣に聞く参加者のみなさん





<参加者の声>
今回からアンケートをとらせていただきました!
(写真やアンケート内容の掲載の許可を頂いたものを書いています)

①今回参加して印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?
・モヤモヤしていたことが皆さんとお話ししてすっきりしました!
・やるだけやってケセラセラ!
・活動や環境の中での目的や方向性が見えないときには適度に力を抜くことも大切だと感じました。多くの人から話を聞くことが一番良いのかなぁと思いました。
・人の話を聞くのは楽しいなとあらためて思いました。
・悩み事ってそんなに細かかったっけ?と思った。
・mission, action, passion, but ケセラセラ!
・みなさんまじめだなぁ。
・自分らしさを再確認できました。

②今回の参加は、今後のあなたの生活やお仕事にどんな影響を与えそうですか?
・今行っていることの裏付け
・いろいろな事に触れてみたいので、次のステップにつながる参加でした。
・良い意味での妥協、話し合い、助け合い
・自分の生活、仕事をまた考える機会にしてみます
・相手の話を聞きながら、それを自分の考えと比べて何が違うのか、共感できることなのかを考えて、少しでも作業を楽しめたらと思います。
・明るい希望を持てたこと
・楽しくなりそうです
・気持ちを切り替えて邁進できそうです

③今後取り上げてほしいテーマはありますか?
・地域で生きる(病気の人、障害者とともに)
・地域参加について
・コミュニケーション術(患者さんとコミュニケーションをとる上でのコツ等、実生活に活かせるものがあれば)
・せっかく作業療法士さんなどたくさんいらっしゃるので専門的な内容も聞きたい
・同じテーマをやってみて、参加者が違うとどうなるか?
・若い人が障害者になり、その後の仕事について




(編集後記)
ブログの更新が遅くなりました。
更新が遅れたために、対話の内容が一部記憶からなくなってしまいました…(^^;;
参加された方の中には、あれ?これないな…とか、あれ?流れが違う?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ごめんなさいm(_ _)m やはり、こういったふりかえりは終わってすぐの新鮮なときにやるべきですね!

8月は何かといろんなやるべきことやりたいことどちらにも属するものが重なり、私自身バランスが取れなくなっています。こんな対話をしながらも、自分の立ち位置ってどこにあるのかな?軸ってなんだろうな?とふつふつ考えるこの夏であります。(言い訳…(^^;;)


休憩中もなごやかなみなさん(^^)

今回は、経験豊かな人の話が聞けて、私自身非常に勉強になりました。参加者の皆さんにとってもそうだったように思います。多くの参加者が、最後のふりかえりで、その知恵の言葉をまとめの言葉に使っていました。経験豊かな人の知恵を若い世代に受け継いでいく。思いもかけず、omni-cafeで世代間のつながり方も考えさせられるいい機会でした。
今度、こういった若い世代の人が経験豊かな高齢者から知恵を頂くような場も提供できたらいいな〜と思いました。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

Omnibus 代表 西野由希子

2013年6月13日木曜日

第1回omni-cafe活動報告                   テーマ「脳卒中になっても自分らしく生きられる?!」


去る6月9日(土)に第1回omni-cafeを実施しました!
Omnibusとして初めての活動です!!


Omnibusメンバーは皆、日中普通に仕事をしており、忙しい中での準備だったため、
1ヶ月前くらいからほとんど打ち合わせなしで当日を迎えました。

十分な広報活動もできていなかったこともあり、事前の申込者は、なんと5名・・・。
初めての開催でこれだけの申込者があった!ということを喜ぶべきなのでしょうが、
正直やっぱりちょっと寂しい…と思っていました。

しかし、当日ふたを開けてみると、申込者以外に3名の参加がありました!つまり計8名!
ありがとうございます!

結局、今回の対話の会は、スタッフも含め13名でおこないました。
初回から、十分な人数です!!


参加者は、一般の人、片麻痺のある人、高次脳機能障害のある人、一時障がいのある状態を経験した人、介護経験のある人、介護福祉士、福祉用具専門店の人、理学療法士、作業療法士。年齢は20代〜60代までの多様な方々が集まってくださいました。これもとてもうれしいことです。

最初の自己紹介から、テーマに関連するようなこれまでの経験を熱く語ってくださいました。
これだけでも非常に考えさせられることをお聞きできました。


少しだけ「脳卒中とは?」というお話をしたあとに、場の緊張感を溶かすためにアイスブレイク。


今回のオープニングクエスチョンは 
 「脳卒中になっても自分らしく生きられる?!」

参加者のほぼ全員が条件付きで「自分らしく生きられる!」という回答。
その理由もお聞きしました。

そこから、今ここにいるいろいろな経験をしてきた参加者と一緒に話し合いたいテーマは何ですか?と
参加者みなでお題を決めていきました。

皆で決めた話し合いたいお題は・・・
「社会的理解を得るために」「自分らしく生きるために自分ができること」


今回は、1つのお題だけご紹介します。

「社会的理解を得るために」

このテーマが選ばれた背景は、参加者の多くの人が、
「自分らしく生きようと自分では思っていても、社会の中はバリアがたくさんある」と感じていたため。

まず話に上がったのは、就労に関わること。障がいがあると、偏見等からなかなか他の社員に理解が得られず、働きにくさを感じていました。

スウェーデンでは入院中に担当していたセラピスト等の専門職が、その人の職場に出向き、職場の人を「トレーニング」していくとのこと。職場の人も、その人とどう関わっていいか困惑しているために、支援が必要だということです。
一方日本では、ジョブコーチ等あるものの、その制度が十分に整っていないために、配偶者などの家族がその調整をしていかないとならないのが現状です。


そこから、
海外(スウェーデンやハワイ、タイ)と日本の障がいのある人に対する社会の対応が全く違うという話題に。


日本では、制度ばかりが先行し、障がいのある人は「何もできない人」とひとくくりにしてしまい、どうしたらその人の持っている本来の能力を発揮できるのか、という戦略が全くない


障害があっても、強い意志を持って声を出していくことが必要、という声も。
そうやって切り抜けて来たという経験談もありました。

しかし、それができない人はどうなるのか?


一時、車椅子や杖を使う生活を経験したという人は、「日本人は目が怖い」と話していたのが印象的でした。

駅のエレベーター使おうとして、中が人でいっぱいになっても誰1人譲ってくれる人がいなかった。障害者優先と書いてあるにも関わらず。それどころか、迷惑そうな視線を向けて来る人もいた。
電車の優先席に行っても、数ヶ月の期間で譲ってもらえたのは3回くらいしかなかった。
そういう視線を浴びていることで、精神的にも苦しくなり、閉じこもりたくなったと。

その目は「排除」を意味しているように思えました。


一方、ある参加者は、
散歩中によく見かけていた人が、しばらく見かけないと思っていたら、ある日突然片麻痺になっていた。
その人と目が合ったのに、なんて声をかけていいかわからず、思わず目をそらしてしまった、という人もいました。

一時車椅子生活の経験をした人は、海外の人は、私がお店に入って来ても、何も躊躇せずに手伝ってくれた、と話していました。


日本人は、なぜこのような障がいのある人とない人が上手にコミュニケーションが取れないのでしょう。
そもそも、どうしても二項対立になってしまうのはなぜなのでしょうか、という話題に。

日本人は、同じような人としか集まりたがらない。そういう集まりばかりがある。
価値観や好みが違えば、一緒には集まらない。ちょっと違う人がいると排除する。

多様な人たちが集まる場が、最近は出て来たが、特別な場でないとない。
普段の生活の中に、そのような場所はないのか?あったとしても、そこでは交流はない。

子どもの頃から、障がいのある人とない人は、別々の学校に行く。
経験がないのだから、どう接していいのか、わからないで当然だ。


日本は、意志の強い発言力のある障がい者じゃないと、生きづらい社会だということは良く理解できました。
その社会をどう変えていくかは、今後の課題です。


。。。。。話はつきませんでした。ここで一つ目のお題は終了。

1つ目のテーマから熱い議論が続き、初心者ファシリテーターのせいもあり、
なかなか終着点が見えず、かなり時間延長…。


しかし、次回のテーマ設定にも使えそうな疑問がたくさん出てきました。


次にもう一つのお題を話し合い、本来であれば、そこから新たなお題に行くのですが、
もうお腹いっぱいになってしまったので、そこまで。
最後に振り返りをして終わりました。







時間配分がうまくできず、反省点はもろもろありましたが、
対話が踊るように進んだので、とても充実した時間となりました。

第1回からこれだけ対話が盛り上がったということは、
機会があれば話したい、と思っている人がたくさんいるのかもしれません。
そして、第1回からomni-cafeの次なるステージも見えたように思えました。

得ることの多い1日でした。
この日は、Omnibus代表+omni-cafeファシリテーターの私は、想定外に疲労困憊。。。
ファシリテーターというのが、これほど集中力とエネルギーを必要とするとは思いませんでした。
ありがとうございました!



今後とも応援をよろしくお願いします!!!



Omnibus代表 西野